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ご挨拶

特定非営利活動法人エコテクノロジー研究会
理事長 川上 智規

 人々の健康と地球環境の保全を図りながら産業の健全な発展を確保するという技術課題は,その必要性と重大性に対する認識が十分だとしても,極めて難しい種々の課題の克服を意味し,もはや一人の研究者や一企業の努力では解決できず,従来にもまして研究者相互の情報交換と協力が産官学一体として求められています。

 さて,ここで、我々が取り組もうとしている環境技術とは,何を意味するのかについて,少々触れたいと思います。今,社会はまさに,大量生産,大量消費,大量廃棄という現在の社会のあり方を見直し,物質循環を基調とした「循環型社会」を構築することが必須のことと,社会全体がその方向に大きく歩み出しています。このような変革が求められる背景には,地球規模の環境問題,資源の枯渇等があることはいうまでもありません。特に,わが国では廃棄物の処分場不足の問題が緊急の課題となっています。

 このような対策として,生産・流通・消費・廃棄という工業製品の一連のフローシステムで最も効率よく資源とエネルギーを使用し,環境への負荷を最小限にすることが必要となってきました。それに伴い,エコテクノロジー,ライフサイクルアセスメント(LCA),ゼロエミッション等のいくつかの新しい概念が創出されてきています。

 これらの概念はいずれも,これからの環境改善技術としては,従来のいわゆるEnd of Pipe型の処理技術ではなく,常に上流を遡った技術開発が要求されていることを強調しています。かといっても,全く新規な技術開発が必要なわけではなく,従来の種々の技術を見直し,それらを再評価することによってある程度可能であると考えられます。また,全産業において個々の物質のフローばかりでなく各産業相互の物質フローの解析から検討されなければなりません。